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インボイスの2割特例は令和8年分で終了:3割特例と経過措置の見直し

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インボイス制度が始まった令和5年10月から、登録した小規模事業者の多くは「2割特例」で消費税を納めてきました。令和8年度税制改正で、この2割特例は終わり、個人事業者向けの「3割特例」に引き継がれます。免税事業者から仕入れる側の経過措置も見直されました。国税庁の「令和8年度税制改正特集」をもとに、何がいつ変わるのかを整理します。

まずおさらい:インボイスの記載事項

インボイス(適格請求書)には、次の6つを記載します。

  1. インボイス発行事業者の氏名または名称と登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目であればその旨)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額と適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

小売業・飲食店業・タクシー業など不特定多数を相手にする事業では、6の宛名を省略できる「簡易インボイス」も使えます。

2割特例は令和8年分で終わり

2割特例は、免税事業者からインボイス登録をして課税事業者になった人が、売上にかかる消費税の2割だけを納めればよいという負担軽減策です。適用できるのは令和8年9月30日を含む課税期間までです。

個人事業者の課税期間は1月〜12月なので、令和8年分(2026年分)の申告が2割特例を使える最後になります。

新しい「3割特例」

項目内容
対象個人事業者のみ(法人は対象外)
条件インボイス登録によって免税事業者から課税事業者になった人で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下
期間令和9年分・令和10年分の2年間
内容納付税額を売上税額の3割にできる

例:売上税額が50万円の人

同じ売上でも納税額が1.5倍になるので、価格の見直しや納税資金の積み立てを早めに考えておく必要があります。

簡易課税への切り替えがしやすくなる

2割特例・3割特例の対象者は、適用を受けようとする課税期間の申告期限までに届出書を出せば、簡易課税制度に移れるようになります。簡易課税は業種ごとの「みなし仕入率」で税額を計算する方法で、たとえばサービス業など(第五種)はみなし仕入率が50%です。どちらが有利かは業種と経費の構成によるので、3割特例と簡易課税の両方で計算して比べましょう。

免税事業者から仕入れる側の経過措置

インボイスがない仕入れ(免税事業者からの仕入れ)でも、一定割合を仕入税額控除できる経過措置があります。改正前は令和8年10月から3年間50%の予定でしたが、段階的に下げる形に変わりました。

期間控除できる割合
令和5年10月1日〜令和8年9月30日80%
令和8年10月1日〜令和10年9月30日70%
令和10年10月1日〜令和12年9月30日50%
令和12年10月1日〜令和13年9月30日30%
令和13年10月1日以降0%(控除不可)

取引先が免税事業者のままでいる場合、仕入れる側の負担は少しずつ増えていきます。免税事業者の側から見ると、取引条件の見直しを求められる可能性がある、ということです。

少額特例は令和11年9月まで

基準期間の課税売上高が1億円以下(または特定期間の課税売上高が5,000万円以下)の事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスがなくても帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます。期間は令和5年10月1日から令和11年9月30日までです。判定は1回の取引の合計額で行います。

いま確認しておきたいこと

  1. 自分が3割特例の対象になるか(個人事業者か、基準期間の課税売上高が1,000万円以下か)
  2. 令和9年分から納税額がどれくらい増えるかの試算
  3. 3割特例と簡易課税のどちらが有利か
  4. 免税事業者の取引先が多い場合、経過措置の割合の変化が利益にどう響くか

よくある質問

取引先がインボイス登録しているかはどう確認できますか?
国税庁の「インボイス制度 適格請求書発行事業者公表サイト」で、登録番号を入力すると確認できます。
2割特例と簡易課税、どちらがよいですか?
業種と経費の割合によります。サービス業(第五種)のみなし仕入率は50%なので、2割特例(実質80%控除)や3割特例(実質70%控除)のほうが納税額は少なくなる計算です。自分の数字で両方を試算して比べてください。
1万円未満の経費ならインボイスはいりませんか?
基準期間の課税売上高が1億円以下などの条件を満たす事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて、令和11年9月30日までは帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます(少額特例)。

まとめ

参考にした公的資料